カードゲームで救急業務の能力向上 養成機関から注目「Qカード」

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Qカードの提示例。この場合、プレーヤーは胸痛や心電図異常から急性心筋梗塞を疑う症状だと宣言。「既往歴・リスク」はラッキーカードが出たため自由に設定でき、「不整脈」とした。心停止の可能性を考え、処置はAED(自動体外式除細動器)を選択=礒野健一撮影
Qカードの提示例。この場合、プレーヤーは胸痛や心電図異常から急性心筋梗塞を疑う症状だと宣言。「既往歴・リスク」はラッキーカードが出たため自由に設定でき、「不整脈」とした。心停止の可能性を考え、処置はAED(自動体外式除細動器)を選択=礒野健一撮影

 滋賀県湖南広域消防局(栗東市小柿3)は救急救命業務を学ぶカードゲーム「Qカード」を考案、発売した。臨機応変な対応が迫られる救急現場に必要な専門知識を楽しみながら学べるもので、全国の消防や救急救命士の養成機関の注目を集めている。【礒野健一】

 救急救命士は傷病人の容体悪化を防ぎ、迅速に適切な医療機関へ搬送するため、「病態把握能力」の向上が求められる。そのための知識は膨大なテキストで勉強するか、日々の業務で経験することで蓄積されるが、教科書通りにいかないことも多い。同消防局に所属する救急救命士歴16年の片山直広・安全救急係長(38)は2020年秋ごろから、「ゲーム感覚で知識を向上させられないか」と構想を練り始め、同僚らの助言も得てカードゲーム化を実現した。

 Qカードの遊び方は、傷病人の症状▽検査所見▽既往歴・リスク▽次に起こること▽観察・処置――の5種類のカードを、それぞれ2枚ずつ配る。自分の順番の際に、種類ごとに分けられた山札の一つと右隣のプレーヤーから1枚ずつカードを引き、計12枚から種類の異なるカードを3~5枚提示して、想定した病態を宣言。その内容を説明し、他のプレーヤーの質問にも答えなくてはならない。説明に問題がなければ提示したカードは手放…

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