若者の政治離れ食い止める 能條桃子さん「選挙は大人の文化祭」
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若者の政治離れが危機的だ。その現状を変えようと「NO YOUTH NO JAPAN(NYNJ)」は、写真共有アプリ「インスタグラム」を通じて10~20代の若者に政治への参加を呼び掛けている。ジャーナリストの池上彰さんが、NYNJ代表理事の能條桃子さん(23)と対談し、2019年に留学したデンマークで見た政治と若者の関係、日本の課題などについて語り合った。【構成・瀬尾忠義】
デンマークでは政治の話が日常
池上 留学中の19年7月にNYNJを設立しましたが、そもそもなぜデンマークを選んだのでしょう。
能條 大学3年の時に留学を決めました。社会や政治に問題意識を持っているけれど何もしていないと思い、このまま就職活動はしたくない、と。現状から逃げるような気持ちもありました。留学先を探している時は、何となく日本は幸せになれない国という感覚があり、国際的な幸福度ランキングが高いデンマークならば不幸になりにくいのではないかと興味を持ちました。しかも若者の投票率が80%を超えている。暮らしながら実情を見てみたいと考えたのです。
池上 幸福度ランキングならば、フィンランドのほうが順位は上です。
能條 デンマークには、フォルケホイスコーレという高校でも大学でもない教育施設があり、若者の4人に1人が行くと言われています。全寮制で100人ほどの若者たちと暮らしながら、自分と社会の接点を考えたい、と入学しました。
池上 そこでは無料で学べるのでしょうか。
能條 無料ではありませんが、1カ月の授業料や食費、生活費などを含めてもだいたい10万円…
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