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内田麻理香・評 『民主主義が科学を必要とする理由』=ハリー・コリンズ、ロバート・エヴァンズ著 鈴木俊洋・訳

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『民主主義が科学を必要とする理由』
『民主主義が科学を必要とする理由』

 (法政大学出版局・3080円)

政策への専門知の関わり方

 専門家が同席する首相の記者会見など、政治と科学の関係を目の当たりにする機会が増えた。政策的な判断には、科学が使われることがあるが、科学をないがしろにして人々の望みに力点を置くとポピュリズムに陥るし、科学を重視しすぎて民主主義に優越させるとテクノクラシーへと向かう。民主主義社会は、科学とどのように関わるべきか。

 著者のコリンズとエヴァンズは、科学論・専門知論の第一人者だ。彼らは科学論の歴史を三つの「波」にわけて検討した。1960年代初頭までの第一の波では、科学は卓越した知識生産の形式として礼賛される時代であった。しかし、科学はかつて信じられていたよりも社会的文脈に影響され、政治性をはらむことがケーススタディなどで明るみに出た。この第二の波のもとでは、科学にまつわる政策決定は、科学者だけに任せるのではなく…

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