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北京五輪きょう閉幕 「公正さ」に課題を残した

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 北京冬季オリンピックは今夜、17日間に及ぶ大会の幕を閉じる。

 中国を取り巻く国際情勢や新型コロナウイルスの感染拡大による影響が心配されたが、大きな混乱は起きなかった。むしろ目立ったのは、競技面でのトラブルだ。

 スキー・ジャンプ混合団体では、高梨沙羅選手が失格となった。ジャンプスーツの太もも回りが規定より2センチ大きいという理由で、記録も取り消された。

 抜き打ち検査の結果、失格となったのは、高梨選手を含めて4カ国の5人に及んだ。競技の公平性を保つために厳格な規定が定められているが、選手からは「いつもと検査方法が違う」と不満の声が上がった。

 スノーボードでも疑問の残る採点があった。男子ハーフパイプで優勝した平野歩夢選手は、自らの得点が思ったより伸びなかった演技の評価について「(審判は)基準として、どこを見ていたのか」と納得できない様子だった。

 審判の目だけでは限界がある。だが、機械を使った判定も完璧ではない。不具合が生じ、競技が中断される例も見られた。

 トラブルの最たるものは、ドーピング違反が判明したフィギュアスケート女子の15歳、カミラ・ワリエワ選手への対応だ。

 年齢を考慮し、スポーツ仲裁裁判所は出場を認めた。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)は、ワリエワ選手が3位以内に入った種目の表彰式は大会中に行わないと発表した。

 アスリートをたたえる表彰式さえ実施できない。五輪のひずみの表れといえるだろう。公正さという点でも課題を残した。

 そんな状況でも選手たちの健闘には目を見張るものがあった。「金メダルを取れなくても悔いがないレースができた」。そう話したのはスピードスケート女子で5種目に出場し、最後に金メダルを手にした高木美帆選手だ。

 結果がどうであれ、全力を尽くして戦う。その尊さこそが五輪の価値ではないか。

 競技レベルが高まり、より難しい技が求められる中で、選手の安全面への配慮も欠かせない。IOCは大会を総括し、その教訓を今後の冬季五輪に生かさなければならない。

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