ウクライナ、ドローンが局面左右? ロシア兵器の天敵 逆用の恐れ
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日を追うごとに緊張が高まるウクライナ。ロシア軍の侵攻には至っていないが、ウクライナ東部では親露派武装勢力と政府軍の衝突が散発的に続く。政府軍は、世界各地の紛争でロシア製武器を打ち破った新型無人機(ドローン)投入の構えを見せる。ドローンは戦局を変える「ゲームチェンジャー」となるのか。状況を探った。【専門編集委員・会川晴之】
ウクライナ軍は2021年10月26日、東部ドネツク州のグラニトノエでトルコから調達したドローン「TB2」を初めて実戦使用し、親露派勢力の122ミリ榴弾(りゅうだん)砲1門を破壊した。ウクライナ国防省は「親露派勢力が停戦ラインの13キロ先から120回続けて砲撃し、2人の死傷者が出た」とし、「停戦監視に当たる全欧安保協力機構(OSCE)に通報して対処を求めたが動きが無かったため攻撃に踏み切った」と説明している。攻撃後に砲撃は止まり、親露派側に死傷者は出なかった。
ロシアは直ちに「停戦協定違反だ」と批判した。15年2月のミンスク合意(通称・ミンスク2)を受けて20年7月に強化された協定では、双方にドローンなど航空戦力の使用を禁じているからだ。さらに、翌27日には協定締結に尽力したドイツもウクライナを非難した。ドローン使用をきっかけに「東部戦線」が不安定化し、後ろ盾となるロシアを刺激すると警戒したためだ。当時、まさにロシアはウクライナ国境への軍増強を加速させている時期にあたった。
ドローンが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコ製であることも、政治的に強い意味を持った。プーチン露大統領は、か…
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