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戦時中にスパイ事件に巻き込まれ、27歳で亡くなった元北海道帝国大生、宮沢弘幸さんの没後75年にあたる22日、登山家の山野井泰史さん(56)一家が、東京都新宿区西新宿の常円寺にある宮沢家の墓参りをした。一家と宮沢家とのつながりは37年前、山が取り持った。
1985年夏、20歳の山野井さんは岩登りの聖地、米コロラド州ボルダーで落石に遭い、左足を粉砕骨折した。現地の病院でボランティアをしていたのが宮沢さんの妹、秋間美江子さんだった。山野井さんは家で世話になり、秋間さんから「兄は山が好きだった」と登山用ザックを見せられたという。
話に出た兄の宮沢弘幸さんは41年12月の日米開戦の日、スパイを取り締まる軍機保護法違反で逮捕され、懲役15年の判決を受けた。戦後、同法の廃止と同時に釈放されたが、47年に結核で亡くなった。後に判明した罪とされた事実は、北大予科の英語講師レーン夫妻に旅行中に見聞きした海軍の根室飛行場の場所などを教えたこととされた。だが、飛行場の場所は周知で、いわれのない罪との評価が定着している。
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