美ら海守るため…ハンストで訴えた大学院生 県民投票3年、変化は?

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県民投票から3年に合わせたイベントの準備作業をする元山仁士郎さん=那覇市で2022年2月23日午後1時59分、遠藤孝康撮影
県民投票から3年に合わせたイベントの準備作業をする元山仁士郎さん=那覇市で2022年2月23日午後1時59分、遠藤孝康撮影

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に向けて名護市辺野古沿岸部で埋め立て工事が進む。3年前に実施された県民投票で埋め立て反対が7割を超えたにもかかわらず、政府は工事の手を緩めようとはしない。土砂が投じられ、徐々に姿を変えていく美(ちゅ)ら海。当時、絶食で抗議するハンガーストライキ(ハンスト)をしてまで県民投票の実施を訴えた大学院生は今、何を思うのか。

 一橋大大学院法学研究科の博士課程の元山仁士郎(じんしろう)さん(30)は、普天間飛行場のある宜野湾市出身。「幼い頃から続く移設問題に決着をつけたい」と2018年4月から1年間、大学院を休学して沖縄に戻り、県民投票の実施を求める署名集めの先頭に立った。

 実施までの道のりは平たんではなかった。仲間と約2カ月で集めた署名数は法定数を大きく上回り、県民投票条例が県議会で成立したが、県内の5市が投票の実施を拒否。元山さんは19年1月に絶食で抗議するハンストを行い、5日目にドクターストップがかかるまで続けた。こうした行動が県議会を動かし、「賛成」「反対」に「どちらでもない」を加えた3択で投票は全県下で実施されることになった。

 そして迎えた2月24日。投票率52・48%で、埋め立て反対が投票総数の71・74%を占めた。「一つの争点について、法律に基づいて実施された投票で民意が示された。この結果は残り続ける。やってよかった」。思いは今も変わらない。

 だが、結…

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