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露がウクライナ攻撃 侵略行為を強く非難する

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 ロシアがウクライナに軍事侵攻した。

 国際社会の警告に耳を貸さず、国際法を踏みにじった。言語道断の侵略行為である。即座に攻撃を停止すべきだ。

 ウクライナ各地の軍事施設をミサイル攻撃した。首都キエフ近郊の飛行場を空爆し、爆発音が響いた。ロシア国防省はウクライナ軍の防空システムを無力化したと発表した。ロシア軍による攻撃は南部や東部の複数の主要都市にも及んだという。

 ウクライナ政府は、複数の都市を標的とする「全面的な攻撃だ」と非難した。多くの死傷者が出ているという。

 国際社会は、ロシアの不当な侵攻に断固として抗議すべきだ。ウクライナ市民の安全を守るために連帯を示す必要がある。

軍事行動の即時停止を

 プーチン露大統領は、親露派武装勢力が支配する地域の「保護」が目的であり、軍事作戦には「ウクライナの占領は含まれていない」と述べた。親露派が実効支配するドンバス地方を完全に奪取する狙いとみられる。

 ウクライナの政府機関や議会のウェブサイトが停止した。軍事侵攻と同時に大規模なサイバー攻撃が実行された可能性が大きい。

 ロシアは、親露派地域の要請に基づく軍事作戦と主張しており、ロシア軍を駐留させ、新たな侵攻を開始する恐れもある。

 バイデン米大統領は「プーチン氏は、計画された戦争を選んだ。死と破壊の責任はロシアのみにある」と非難した。

 軍事行動に対して、国際社会は毅然(きぜん)とした姿勢で臨まなければならない。

 ロシアによる親露派地域の独立承認を受けて、米欧日はロシアの金融機関やエネルギー事業などに対する経済制裁を発動した。

 プーチン氏はそれを気にも留めず、全面的な攻撃に踏み切った。対抗するには、より厳しい制裁措置が必要だ。

 主要7カ国(G7)は大規模な制裁を検討している。ロシアが報復として天然ガスなどの資源の輸出を制限することも想定しなければならない。

 侵攻を機にエネルギー価格が急騰している。G7は安定供給の確保に向け、産油国などと協力して対応策の調整を急ぐべきだ。

 ロシアとの関係の濃淡は国によって異なるが、足並みをそろえなければプーチン氏の行動を変えることはできない。

 国際社会が認識すべきなのは、世界にとって共通の脅威であるということだ。大国による露骨な暴力行為を制御できなければ、世界はどうなるのだろうか。

 ウクライナだけの問題ではない。東西冷戦終結後、平和的に構築されてきた欧州の秩序に対するプーチン氏の挑戦でもある。

国際社会が結束示す時

 北大西洋条約機構(NATO)の勢力圏を、東方拡大が始まる前の1997年の状態に戻すよう求め、米欧に拒否されると軍事手段に訴えた。

 米欧がウクライナ問題にきちんと対処できなければ、ロシアの増長を招き、さらなる勢力圏の拡大に動く恐れも否定できない。

 NATOに加盟する東欧やバルト3国ではロシア脅威論が高まっている。防衛体制を一段と強化することが求められる。

 法とルールに依拠する国際秩序も危機に直面する。武力によって勢力を拡大しようとする風潮が広がると、民主主義は脆弱(ぜいじゃく)になる。

 冷戦後に米国が主導してきた秩序は崩れ落ち、世界は平和と安定を維持する装置を失って混迷の時代に突入するだろう。

 ロシア国民にも問いたい。プーチン氏は、大国ロシアが米欧によって解体されたとみなし、「歴史的なロシアの統一」を訴える。

 だが、旧ソ連圏諸国を自国の勢力圏と主張し、力ずくでねじ伏せようとするのは、独善的な覇権主義以外の何ものでもない。

 ロシアが悠久の歴史を持ち、偉大な文化を育んできたことは、だれもが認めるところだ。資源に恵まれ、世界に貢献できる国だ。

 にもかかわらず、プーチン氏の暴挙の結果、ロシアの主要産業に対する厳しい制裁が発動されれば、代償を払わされるのはロシア国民である。

 国際社会の結束が今ほど求められている時はない。世界秩序の将来は、ウクライナ危機への対応にかかっている。

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