川上未映子さんが新刊で描くコロナ禍の不穏な日常
毎日新聞
2022/2/27 08:00(最終更新 2/27 15:53)
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生殖倫理を問う長編小説「夏物語」が海外でもベストセラーになるなど、国内外で注目を集める川上未映子さん。デビュー以来、一作ごとに作風と主題を変えてきた作家が新作短編集「春のこわいもの」(新潮社、28日発売)で見つめたのは、コロナ禍の不穏な日常だった。【関雄輔/学芸部】
今日は災厄の前の日かもしれない
収録作は6編。整形願望のある女性が主人公の「あなたの鼻がもう少し高ければ」、なくした手紙を探しに夜の学校に忍び込む「ブルー・インク」、高校時代の友人からの電話で過去と向き合う「娘について」――など、いずれも感染症を直接扱うのではなく、感染が爆発的に拡大する直前の日々を描いている。
「今を書こうと思うと、いつも『何かが起こる直前』を書いてしまうんです。東日本大震災の後に書いた短編『三月の毛糸』もそうでした」と川上さんは言う。「明日起きることは誰にも知り得ない。今日が災厄の前の日ではないということは、明日にならないと分からない。私たちは…
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