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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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欧米、国際決済網からロシア排除 自らの打撃覚悟で最後の手段に

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SWIFTの仕組みと排除の影響
SWIFTの仕組みと排除の影響

 ウクライナに侵攻を続けるロシアへの経済制裁として、欧米諸国がロシアを国際的な金融ネットワークから排除する新たな措置に踏み切った。経済制裁では最後の手段を意味する「核オプション」と言われてきた措置だ。ロシア経済が大きな打撃を受けるのは必至だが、世界経済への影響も懸念される。欧州では慎重な声も出ていた中、一転して実施にかじを切った背景とは。

侵攻進み、国際世論の批判の高まり懸念

 「特定のロシアの金融機関を国際金融システムから切り離し、国際金融業務の能力を損なわせる」。米国や欧州連合(EU)など7カ国・地域は26日の声明で、ロシアの一部の金融機関を銀行間国際決済ネットワークである「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除すると表明した。

 制裁を巡り、欧州各国の足並みは当初乱れた。ウクライナは「欧州には侵略を止めるための十分な力がある」(ゼレンスキー大統領)として、EUにSWIFTからの排除に乗り出すよう求めてきたが、EU内ではぎりぎりまで慎重論があった。天然ガス輸入などで欧州と相互依存関係にあるロシアとの経済関係を断つと、一部加盟国では、自国経済に甚大な影響が及ぶ懸念があるからだ。ロシア産ガスへの依存度の高いドイツやイタリアのほか、プーチン露政権と緊密な関係にあるとされるハンガリーも難色を示していたとみられる。

 潮目を変えたのは、24日のEU緊急首脳会議後の、批判の高まりだった。ゼレンスキー氏は同会議にオンラインで参加し、EU加盟国にロシアへの厳しい対応を要求。イスラエルのメディアによると、「あなた方が私を見るのはこれが最後になるかもしれない」と鬼気迫る様子で訴えたという。…

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【ウクライナ侵攻】

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