越えられぬ一線か、タブー視できぬ現実か 「核共有」議論が過熱

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
岸田文雄首相(左)と安倍晋三元首相
岸田文雄首相(左)と安倍晋三元首相

 米国の核兵器を日本に配備して共同運用する「核共有」政策を巡り、与野党から賛否両論が出て、議論が過熱している。安倍晋三元首相の「議論をタブー視してはならない」との発言が発端だが、国是である核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」という「非核三原則」に関わるだけに、政府は否定的な見解を示している。

 自民党の福田達夫総務会長は1日の記者会見で「我が国が唯一の被爆国であると踏まえた上で」と留保をつけつつ「議論は回避すべきではない。国民、国家を守るならどんな議論も避けてはいけない」と安倍氏の発言を支持した。高市早苗政調会長は会見で、三原則のうち「持ち込ませず」について「国民の安全が危機的な状況になったときに限り、例外をつくるかどうかの議論は封じ込めるべきではない」と言及した。

 安倍氏は2月27日のフジテレビの番組で「この世界はどう安全が守られているのかという現実についての議論をタブー視してはならない」と述べ、核共有導入の是非を議論すべきだとの考えを示していた。ロシアに侵攻されたウクライナは核兵器を放棄していたことにも触れた。

 しかし、安倍氏の発言について、岸田文雄首相は…

この記事は有料記事です。

残り779文字(全文1268文字)

あわせて読みたい

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集