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2月20日に閉幕した北京冬季オリンピックについて、開催国の中国は「成功」と総括した。政治の影響を色濃く受けた祭典は何を残したのか。大会中はドーピングなどを巡る問題が改めて浮き彫りになったが、国際オリンピック委員会(IOC)は主体的に対応せず、存在意義を問われた。岐路に立つ五輪について、五輪史が専門の來田享子・中京大教授に聞いた。【聞き手・小林悠太】
「政治的中立」理由に問題と向き合わず
IOCは「政治的中立」を理由に、中国の人権問題について踏み込んだ発言をしなかった。大会経費を負担する開催国に配慮したのだろう。しかし、問題を抱える政府や権力者ときちんと向き合わなければ、人種や性別などあらゆる差別を禁じてきた五輪の理念、意義は失われてしまう。IOCの最大の問題は、中国にとって都合の悪いことを何もしなかった点にある。
IOCは民間団体で、問題を解決するための行動に限界があるのは事実だ。今回に限らず、1936年ベルリン五輪でナチスが政治宣伝をしたように、五輪が利用された過去もある。だからこそ、五輪を政治的に利用する可能性のある開催地を選ぶべきではなかった。
2008年の北京夏季五輪では中国政府によるチベットでの人権問題を受け、世界中で実施された聖火リレーで抗議や妨害が相次いだ。その後、IOCは09年に国連総会のオブザーバー資格を取得し、14年には中長期改革「アジェンダ2020」に、性的指向に基づく差別の禁止を盛り込むなど人権を重視する姿勢を打ち出してきた。しかし今回の中国に…
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