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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ウクライナ侵攻で急増 サイバー攻撃で私たちが「今すべきこと」

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武装して広場に立つ男性=ウクライナの首都キエフで2022年3月2日、AP
武装して広場に立つ男性=ウクライナの首都キエフで2022年3月2日、AP

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、世界中でサイバー攻撃が増加している。日本でも発信元など詳細は不明ながら、トヨタ自動車が取引先への攻撃で国内全工場の停止を余儀なくされた。今、世界で何が起き、サイバー攻撃の被害を防ぐために今すぐやるべきことは何なのか。NTTチーフ・サイバーセキュリティー・ストラテジストの松原実穂子さんに聞いた。【聞き手・松岡大地】

 ――ウクライナ軍が「IT部隊」を創設するなど、ロシアとの間でサイバー攻撃の応酬になっていると言われます。一体、何が起きているのでしょうか。

 ◆ウクライナ侵攻以前から予想されていたのは、ロシアがミサイルなど通常の軍事行動に加えて、通信サービスなど重要インフラを狙ったサイバー攻撃、SNS(ネット交流サービス)を使った偽情報の拡散など、いわゆる「ハイブリッド戦」を使うということです。ウクライナ南部クリミア半島を併合した2014年にも、ロシアは同じような手法を使ったからです。

 しかし、今回は大きく異なる点があります。政府と政府、軍と軍の間の応酬だけでなく、民間の国際ハッカー集団も複数参戦してきている。これは、未曽有の事態です。

 ハッカー集団の主張の真偽を確かめることは困難ですが、「アノニマス」がロシア政府をサイバー攻撃したとされるほか、ロシアの情報機関とつながりがあると言われる「コンティ」、ベラルーシの反体制派ハッカー集団「サイバー・パルチザン」などがそれぞれ参戦を主張しています。

 また、ウクライナ政府がサイバー攻撃からの防御と攻撃への協力を広く呼びかける動きも出ています。

 ――サイバー攻撃が拡大しているのはなぜですか。

 ◆リアルな戦争…

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【ウクライナ侵攻】

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