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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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亡き妻の面影探して11年 きょうも手を合わせ語りかける男性

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 東日本大震災から11年。福島県浪江町の元郵便局長、熊川勝さん(84)はあの日、自宅で津波にのまれた。着ていたジャンパーが浮袋代わりになって一命を取り留めた熊川さん。しかし愛する妻、洋子さん(当時72歳)は水の中に消えた。何年が過ぎようと忘れることはない妻。面影を探して、きょうも妻に語りかける。

毎月訪れる「お母ちゃん」との対話の場

 洋子さんが大好きだったリンゴジュースを供えて「来ましたよ」。ゆっくりとしゃがみ、「お母ちゃん」に手を合わせる。熊川さんは毎月、洋子さんが眠る墓を必ず訪れる。「今月はこんなことがあったよって、お母ちゃんとしゃべんだ。誰も聞いてないからいいさ」。2015年春にできた浪江町の墓に遺骨を納めてから、墓参は一度も欠かしたことはない。「お母ちゃんから皆勤賞をもらわないとな」

 震災から約5カ月後、福島県二本松市の仮設住宅に入った。そこで6年間暮らし、17年8月に浪江町に戻った。住まいは古里の請戸(うけど)地区に近い復興住宅。二本松に住んでいた時は往復140キロの墓参りも、すぐの距離になった。

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