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3年に1回“再婚” 別姓望む夫婦の「選択」 考え始めた新たな道

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「選択的夫婦別姓制度が導入され、それぞれが生まれ持った名前で生きていけたら」と語る夫婦=東京都八王子市内で2021年10月11日、椋田佳代撮影
「選択的夫婦別姓制度が導入され、それぞれが生まれ持った名前で生きていけたら」と語る夫婦=東京都八王子市内で2021年10月11日、椋田佳代撮影

 結婚の際、どちらかの姓だけで生きていくことを巡って悩んだある夫婦がいる。「生まれ持った名前を変えたくない」。夫も妻も、その思いがあった。選択的夫婦別姓制度の導入に期待をかけつつも進展が見られない中、2人は互いの気持ちを尊重し、それぞれの姓を行き来するという「選択」をした。7月には再び、姓を入れ替えるタイミングを迎えるが、新たな道も考え始めている。

3年ごとに改姓 でも本当は…

 東京都八王子市に住む公務員の夫(32)と会社員の妻(32)は大学時代に出会った。交際を始めて数カ月たったある日、結婚の話題になった。妻は「私は名字を変えたくない」と切り出した。親しい友人らに日ごろから名字に由来するあだ名で呼ばれ、愛着を持っていた。自身が改姓するとは考えていなかった夫は「普通は男性の名字(にするもの)じゃないの?」と返し、言い争いに。その話は平行線のまま月日が過ぎた。

 大学を卒業後、2人とも就職して結婚の話が具体的になってきたころ、妻は「くじ引きでどちらの姓にするか決めよう」と提案した。結婚した夫婦のうち96%は女性が改姓しているとの統計もあり、自分の方が「不利」なのは感じていた。「でも、平等に決めたかった。くじだと片方の姓を選ぶことにはなるが、公平かなと思った」と振り返る。

 ある時、夫が職場の雑談で「3年おきに名字を交代しているカップルがいるらしい」と聞き、その話を妻に伝えた。5年は長いし、1年だと手続きが大変だ。同じように3年間と決め、2016年に結婚式を挙げた。新婚旅行先のオーストリア・ウィーンであみだくじをして、まず夫の姓に決まった。

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