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ジェンダー(社会的に作られた性差)にとらわれない、平等な社会とは?格差解消のための課題を考えます。

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なぜ「レディース」と呼ぶのか? 女子サッカー選手界からの疑問

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WEリーグへの思いを語る岡島喜久子チェア=東京都港区で2021年9月24日、梅村直承撮影
WEリーグへの思いを語る岡島喜久子チェア=東京都港区で2021年9月24日、梅村直承撮影

 自由に夢や憧れを抱き、共にワクワクし、互いを尊重し、愛でつながる――。私たちはそんな未来をつくると宣言して、2021年9月に始まったのが国内初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」だ。リーグトップの「チェア」を務める岡島喜久子さん(63)に話を聞いた。【聞き手・尾形有菜】

ファン8割男性 理想は「宝塚」!?

 ――「WE」とは女性の活躍を意味する「Women Empowerment」。開幕から半年、どこまで進みましたか。

 ◆ジェンダー平等に向けてどのような課題があるのか、各クラブの選手やスタッフ、パートナー(協賛企業)やメディアが参加して議論する「アクションミーティング」を重ねてきました。選手から身近な課題を挙げてもらうと93個。その中には、課題として気づいていないものもありました。選手自身が問題として認識したことが大きいと感じています。

 ――選手からは具体的にどのような課題が挙がったのでしょうか。

 ◆例えばチームの呼称問題があります。WEリーグには、Jリーグのクラブから参加しているチームもありますが、男子が「トップチーム」なのに対して、女子は「レディース」と呼ばれます。練習環境にも差があります。男子が天然芝なのに女子は人工芝、男子が使えるクラブハウスを女子は使えないといったことです。それが普通で、慣れてしまっている選手もいます。一朝一夕で変えられるものではないですが、それらの問題に気づいた。そこから第一歩が始まります。

目指すは「かっこいい」

 ――選手としての見られ方にも違いがあります。

 ◆これまでの女子サッカーのファンは男性が中心でした。リーグの調査では、80%が男性という数字が出ています。「かわ…

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