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国際女性デー2022 32歳夫婦、3年おき姓交代 名字への愛着、社会の壁高く

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「選択的夫婦別姓制度が導入され、それぞれが生まれ持った名前で生きていけたら」と語る夫婦=東京都八王子市内で2021年10月11日、椋田佳代撮影
「選択的夫婦別姓制度が導入され、それぞれが生まれ持った名前で生きていけたら」と語る夫婦=東京都八王子市内で2021年10月11日、椋田佳代撮影

 結婚の際、どちらかの姓だけで生きていくことを巡って悩んだある夫婦がいる。「生まれ持った名前を変えたくない」。夫も妻も、その思いがあった。選択的夫婦別姓制度の導入に期待をかけつつも進展が見られない中、2人は互いの気持ちを尊重し、それぞれの姓を行き来するという「選択」をした。7月には再び、姓を入れ替えるタイミングを迎えるが、新たな道も考え始めている。

 東京都八王子市に住む公務員の夫(32)と会社員の妻(32)は大学時代に出会った。交際を始めて数カ月たったある日、結婚の話題になった。妻は「私は名字を変えたくない」と切り出した。親しい友人らに日ごろから名字に由来するあだ名で呼ばれ、愛着を持っていた。自身が改姓するとは考えていなかった夫は「普通は男性の名字(にするもの)じゃないの?」と返し、言い争いに。その話は平行線のまま月日が過ぎた。

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