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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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ロシアの侵攻を法律でただすことはできるのか 国際法学者の見解

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避難途中の子どもを抱えて、壊れた橋を渡るウクライナの民兵=キエフ郊外で2022年3月2日、AP
避難途中の子どもを抱えて、壊れた橋を渡るウクライナの民兵=キエフ郊外で2022年3月2日、AP

 ロシアによるウクライナ侵攻で民間人を含む犠牲者が増えている。日本を含む多くの国が「国際法違反」だとロシアに武力行使をやめるよう求めているが、「特別軍事作戦」を命じたプーチン露大統領を誰も止められない。国際社会が培ってきた法は侵攻をただすことはできないのか。国際法の専門家、酒井啓亘・京都大教授に聞いた。

「軍事作戦」の根拠は無理筋

 ――ロシアの「軍事作戦」をどう考えますか。

 明らかな侵略行為です。20世紀初めまでの国際法では、戦争は合法でした。膨大な犠牲者が出た第二次世界大戦などを経て、国家が武力を行使することを禁じた国連憲章2条4項(注1)が定められました。

(注1)すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

 「侵略」は、武力行使の中で最も「烈度の高い」行為です。政治的な選択で「侵略」と呼ばない場合もありますが、法律の専門家の多くは、ウクライナの領域でロシア軍が軍事行動することについて「侵略行為であり違法だ」との結論に立っていると思います。

 ――プーチン氏は侵攻を開始した2月24日の演説で「ウクライナからの脅威がある限り、ロシアは安心できない」「軍事作戦以外にロシアを守る機会がない」と主張しました。

 武力行使禁止原則には二つの例外があります。一つは国連の集団安全保障による軍事的措置です。侵略などに及んだ国に対し、国連安全保障理事会の決議に基づいて各国の軍隊で結成した部隊で軍事的な制裁を行います。今回、安保理はこの点について動いていませ…

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【ウクライナ侵攻】

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