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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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電撃戦もくろんだプーチン氏の誤算 「内部告発」に描かれた内幕

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ロシア軍の車両の残骸近くに立つ武装した男性=ウクライナの首都キエフ近郊で2022年3月1日、AP
ロシア軍の車両の残骸近くに立つ武装した男性=ウクライナの首都キエフ近郊で2022年3月1日、AP

 ロシアがウクライナに侵攻して2週間が経過した。戦闘は続き、泥沼化の様相を見せている。短期決戦を期していたはずのプーチン露大統領は、どこでつまずいたのか。【杉尾直哉、ワシントン鈴木一生】

「士気や戦闘能力が低い」部隊も

 「我が軍は全ての任務をこなす。それを疑ったことは一秒たりともない」

 露大統領府によると、プーチン大統領は5日、航空各社の女性搭乗員を集めた会議に出席し、そう断言した。参加者からウクライナで展開する「特別軍事作戦」を尋ねられ、「全て予定通り、参謀本部の計画通り」と答えた。

 確かに侵攻開始前は、戦力で勝るロシア軍がウクライナ軍を短期間で圧倒するという見方が強かった。だが、米中央情報局(CIA)トップのバーンズ長官は「大部分の作戦は効果的でなかった」とみる。8日、米下院の公聴会で証言し、「(首都)キエフを2日以内に制圧する想定だったが、2週間たっても包囲できていない。今、プーチン氏は怒り、いらついていると思う」と説明した。

 全体としてはロシア軍がじりじりと制圧地を広げ、ウクライナ軍を後退させる構図に変わりはない。激しい戦闘が続くキエフ郊外には北と東からロシア軍の大部隊が集結している。米シンクタンク「戦争研究所」は8日のリポートで「今後数日間に首都に侵攻するための準備を続けている」と指摘した。南部の要衝ヘルソンを攻略したロシア軍がウクライナを海から切り離すため、黒海沿岸の第3の都市オデッサの攻略を始めるともみられている。

 ただ、…

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【ウクライナ侵攻】

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