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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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乏しい被災者支援、さらに細る 東日本大震災「10年で」絞る国

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キッズドア東北事業部の学習会で子どもに勉強を教えるボランティアの女性(右)=仙台市宮城野区で2022年3月9日、和田大典撮影
キッズドア東北事業部の学習会で子どもに勉強を教えるボランティアの女性(右)=仙台市宮城野区で2022年3月9日、和田大典撮影

 東日本大震災から10年以上が過ぎ、国の被災者支援は一部で縮小、打ち切りの動きが出ている。被災自治体からは国の対応を許容する意見の一方、それぞれの事情に応じた支援の継続を求める声が上がる。【関谷俊介】

小中学生の就学援助、4分の1不認定

 「今でも、震災の影響がある子どもがいる」。仙台市のNPO法人キッズドア東北事業部の対馬良美部長はそう話す。仙台と宮城県南三陸町で、被災した生徒らにスタッフやボランティアが勉強を教える学習会を震災直後から続け、仙台市内で毎日開催する学習会には中高生100人が登録している。震災後に家族関係が崩れたり、家族と仮設住宅を転々としたりした子も含まれている。

 厳しい生活状況の子を支えるため、国は就学援助事業を設けている。生活保護世帯の要保護児童・生徒、それに準じると判断された世帯の準要保護児童・生徒に、学用品費用や通学費、医療費などを支給する制度だ。2011年度には東日本大震災の被災者向けの就学援助事業が設けられ、自宅が壊れたり親が死亡して世帯収入が減少したりした小中学生も新たに全額国費負担で支給の対象に加わった。

 ところが、その門戸は震災から10年を境に狭まった。…

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【東日本大震災】

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