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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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武器をとって最後まで 在外ウクライナ人が口をそろえた「決意」

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ウクライナの平和のために祈るナタリアさん(右)=東京都港区の聖オルバン教会で6日午後、國枝すみれ撮影
ウクライナの平和のために祈るナタリアさん(右)=東京都港区の聖オルバン教会で6日午後、國枝すみれ撮影

 ロシア軍のウクライナ侵攻開始から2週間が過ぎた。ウクライナの市民の犠牲は増え続け、停戦交渉もまとまる気配はない。この侵攻はどう決着するのか。日本とドイツに住むウクライナ人に話を聞くと、みな同じ「決意」を口にした。【國枝すみれ/デジタル報道センター】

全員がロシアと戦う覚悟

 ウクライナ正教会の司祭に促された5人のウクライナ人が、祭壇の前に進み出た。ろうそくに灯をともし、静かに祈りをささげる。6日午後、東京都港区の聖オルバン教会で開かれた、ウクライナの平和のために祈る儀式だ。

 参列したディミトロ・コワリョブさん(59)と妻ナタリアさん(59)。年老いた母親と義理の弟の家族が、首都キエフの郊外にいる。ロシア軍はキエフの間近に迫っており、気が気ではないという。

 「母と毎日電話しますが、『どうか安全でいて』と言うことしかできません」

 義弟の家族は地下シェルターに避難しているが、食料を届ける手段がなくなった。パンはもうなく、小麦粉もなくなりそうだという。

 「多くのウクライナ人は、いつかはロシアの侵略が起きると思っていたんです。だけど、これほど大規模で、これほど狂ったものになるとは思いませんでした。ウクライナ人はほとんど全員がロシアと戦う覚悟です。私の同級生も地域防衛隊に入りました」

 地域防衛隊は一般市民で構成される、ウクライナ国防省傘下の部隊だ。もう60歳に近い同級生も、健康上の問題や高齢のため正規の軍に入ることができない人ですら、武器を手に取っているのだ。海外に住んでいたウクライナ人も、次々と帰国して戦いに参加している。

 ディミトロさんは語る。「ウクライナのために他国の人間が命を懸けることは期待していない。だけど、ウクライナ人が戦うために武器がほしい」

「ロシアありがとう」を拒否

 アントンさん(35)=親族の安全のため、姓は非公表=は、妻と幼い娘と一緒に教会を訪ねた。

 親友が南部の都市ヘルソンに住んでいるという。ヘルソンはウクライナの主要都市として初めてロシア軍に制圧された。ロシア軍は援助物資を配ろうとしたが、市民は拒否したという。

 「食料を受け取る代わりに、…

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【ウクライナ侵攻】

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