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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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結束強めれば孤立も ロシアと国際社会の間で揺れ動く中国の苦悩

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ウクライナ侵攻についてオンラインで会談する中国の習近平国家主席(上)、マクロン仏大統領(左下)、ショルツ独首相(右下)=パリで2022年3月8日、AP
ウクライナ侵攻についてオンラインで会談する中国の習近平国家主席(上)、マクロン仏大統領(左下)、ショルツ独首相(右下)=パリで2022年3月8日、AP

 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、中国が国際社会からの批判をかわそうとしている。当初はロシアの立場に理解を示しつつ深入りを避けてきた。だが人道被害を拡大させたロシアへの批判が高まる中で、事態の沈静化を強く求めるようになった。一方、中露の経済関係は今後も強化する方針を維持している。矛盾した対応は、中国が置かれた立場の難しさを際立たせている。

高まる批判に「習氏は動揺している」

 「中国は平和の回復のため、国際社会と共に積極的な役割を果たす意思がある」。中国の李克強首相は11日の記者会見で、事態の打開に向けて尽力する姿勢を示した。だが当初、中国はこの問題に積極的に関わってこなかった。

 習近平国家主席は2月4日、北京冬季オリンピックの開会式に合わせてロシアのプーチン大統領と会談し、北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大を求めるプーチン氏の主張に支持を示した。共同声明では「両国の友好に上限はない」とかつてないほどの蜜月ぶりを強調していた。この時期、米欧などが北京冬季五輪の開会式で「外交的ボイコット」をしており、中国にとってロシアとの結束はより重要だった。

 ロシアによるウクライナ侵攻後も、中国はNATOをめぐるロシアの立場を支持すると改めて表明。国連での対露非難決議の採決を棄権するなど、ロシアへの批判を避けている。

 一方で、ウクライナ侵攻では多くの国が…

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【ウクライナ侵攻】

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