「ネットに踊らされた」輸入未承認薬を飲んだ男性に起きたこと
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「飲んだら良くなった」「副作用はなく安全」――。新型コロナウイルス感染症で社会不安が長引く中、ネット上では、コロナ治療薬として未承認の薬を海外から独自に取り寄せ、服用したという書き込みがいくつも見られる。その中のある男性に取材を申し込んだところ、男性は「あふれる真偽不明の情報に踊らされてしまった」と後悔を口にするのだった。【岩崎歩/科学環境部】
「医者も言うなら大丈夫」と購入
取材に応じたのは、関西地方に住む20代の男性会社員。昨年4月、呼吸が苦しくなるなど風邪のような症状に見舞われた。呼吸の苦しさはほどなく治まったが、リンパ節の腫れや倦怠(けんたい)感などが残った。PCR検査は受けなかったが、男性は「コロナの影響かもしれない」と感じた。
そんな時に頼ったのがネット交流サービス(SNS)に流れる情報だった。目についたのは、ある既存薬を飲んでさまざまな症状が「改善した」と主張する投稿の数々だった。中には医師と称するアカウントの投稿もあった。
妻からは「自己判断は危ない」と止められたが、男性は「医者も言うのなら大丈夫だろうと思った。自分でなんとかしたいという気持ちが先行し、SNSを信じてしまった」
昨年6月、インターネットの代行業者を通じて「インド製」と称する薬剤を1箱購入した。サイトの商品レビューに、効果を実感する声が多数あったことも背中を押した。しかし、通常の用量を参考に最初の1錠を服用したその日の夜から、「ゴー」という耳鳴りが止まらず、眠れなくなったという。
耳鳴りは数日で治まったものの、今度は神経の痛みが襲ってきた。その後、服用量を半分にして数日飲んだが、症状は良くならないどころか、関節の痛みが悪化したという。
体に感じた「異変」
昨年12月には、また別の既存薬と称する薬剤を、別の代行業者を通じて購入。「台湾製」とあり、ツイッターで「自己免疫疾患に効く」「コロナ後遺症に良い」といった情報を見て、わらにもすがる思いで注文したという。
ところが、1…
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