しぼんだ除染事業 地元業者「今後は廃炉で食べていくしかない」
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放射性物質による汚染を乗り越えて繁栄を遂げた米ワシントン州ハンフォード地域をモデルに、福島の復興を――。2021年4月、福島県いわき市で「福島浜通りトライデック」という一般社団法人が発足した。産学官で連携し、東京電力福島第1原発、第2原発の廃炉事業を地元経済の振興につなげるというのが、この団体の主な目的だ。
団体の代表理事はいわき市にある「東日本国際大」の運営法人理事長、専務理事は同大副学長。地元出身の元法相や元復興相も顧問や理事に名を連ねる。
副学長が設立準備で上京した際、同大の「研究所幹事」という肩書の2人も同行していた。一人はいわき市の土木工事会社「相双リテック」会長の男性。第1原発がある福島県大熊町の除染に地元業者を束ねて参入し、売り上げを伸ばした会社だ。もう一人は同社が入る環境省の除染事業で元請けになった大手ゼネコン清水建設の現場事務所長を務めていた男性だった。
地元ではトライデックに期待する声があるが、設立準備資料の参加者リストに2人の名を見つけた大熊町の建設業者は、こう思ったという。「除染の次は廃炉に入り込むつもりなのか」
相双リテックは清水建設の現場事務所に社員を送り込むなどし、設立年の12年に約19億円だった売り上げは15年、約111億円に急伸した。その後は国税局から役員報酬が過大と指摘されたり、現場幹部らへの利益供与が明るみに出たりし、一時の勢いを失った。
相双リテックの会長に対しては、…
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