- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

ロシアによるウクライナ侵攻は、世界に大きな衝撃を与えている。日本総合研究所の寺島実郎会長は、経団連の日本ロシア経済委員会ウクライナ研究委員会委員長なども務め、長く世界の地政学やエネルギーの実情をウオッチしてきた。ウクライナ危機は世界史の転換点なのか。寺島さんに読み解いてもらった。【聞き手・松岡大地】
――ロシアのウクライナ侵攻は世界に衝撃を与えました。世界はどう変わるのでしょうか。
◆私たちは今、第一次世界大戦から約100年という世界史の大きな構造転換の入り口に立っているという認識が重要です。ロシア帝国、ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、オスマン帝国という四つの帝国が消えたのが第一世界大戦でした。9・11後の米国がアフガニスタン、イラクの失敗で後退したように、ロシアを含め「大国の横暴」の終焉(しゅうえん)に近づいているのかもしれません。
――ウクライナ危機の本質をどこに見ますか。
◆ロシアによるウクライナ侵攻は、「ウクライナの悲劇」であるのと同時に「ロシアの悲劇」でもあるという視点が必要だと考えています。世界の構造転換を考える上で、今後ポイントになるのは「ロシアの孤立」と「ロシアの破綻」です。
「ロシアの孤立」でいえば、3月2日の国連でのロシア非難決議に反対に回ったのは、ロシアとベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリアの5カ国だけでした。加えて重要なのは、ソ連崩壊後にできた独立国家共同体(CIS)加盟国の動きです。ロシアにとってはいわば「親衛隊」のような国々でしたが、ベラルーシを除いては賛成、棄権、無投票に回った。ロシアの孤立がここまで進んでいることを象徴する結果です。
「力こそ正義」の間違い
――もう一つの「ロシアの破綻」とは、どのような意味ですか。
◆ロシア経済を見ると、…
この記事は有料記事です。
残り3072文字(全文3827文字)
時系列で見る
-
欧米が動かないなら…連帯を生み始めたウクライナ大統領の熱弁
441日前深掘り -
反戦プラカードの女性、罰金3万ルーブルで釈放(3月16日)
441日前 -
よみがえる爆発の恐怖と暗闇、寒さ 壊された71歳の穏やかな日常
441日前 -
「バイデン氏の父を入国禁止?」と皮肉 米国とロシア、制裁の応酬
441日前 -
戦争に向き合う「神田署長」 北村総一朗さんが舞台で伝える原体験
441日前 -
ウクライナ侵攻 旧日本軍手法に重なるロシア 「泥沼化」教訓、世界に示せ
441日前注目の連載 -
安倍外交の消えぬ罪=与良正男
441日前注目の連載 -
東欧3カ国首相、キエフでゼレンスキー大統領と会談 協力を確認
441日前 -
ノーサイドの精神、今こそ 花園ラグビー場がウクライナ国旗色に
441日前 -
プーチン氏の増長招いた日本 寺島実郎氏が読み解くウクライナ危機
441日前 -
「97人の子供が殺された」 ウクライナ大統領、カナダ議会で演説
441日前 -
露が安保理に独自「人道支援」決議案 英は反発「露が病院空爆」
441日前 -
ロシアはバイデン氏の父親に制裁? 米報道官が皮肉
441日前 -
米、ベラルーシ大統領や露国防省幹部ら制裁 米国内の資産を凍結
441日前 -
ウクライナ停戦協議は16日も継続へ 「妥協の余地」交渉は難航
442日前 -
ジョージアの起業家 ウクライナ難民と支援者とを結ぶサイト開設
442日前 -
米FOXニュースのカメラマンら2人、キエフ郊外で銃撃受け死亡
442日前 -
城跡にウクライナ国旗 青と黄色、ライトアップ 延岡市 ロシアの侵攻に抗議 /宮崎
442日前 -
宇佐市議会 露ウクライナ侵攻で平和解決決議を可決 /大分
442日前