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国立がん研究センター東病院で患者相談に携わる、坂本はと恵さんが、がん患者やその家族に向けて、役立つ情報や支えとなる話をつづります。

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がんサバイバーシップ=国立がん研究センター東病院 がん相談統括専門職 坂本はと恵

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 近年、がん医療の技術は進歩し、10年生存率は60・2%まで向上しました。長期生存が実現する一方で、診断直後、治療中、治療後も続く周囲との人間関係、就労・就学、経済的問題、生きる意味といった、さまざまな苦悩や感情が課題となっています。

 皆さん、がんサバイバーシップという概念をご存じでしょうか。1985年に米国のフィッツヒュー・ミュラン医師が提示しました。

 ミュラン医師は自らのがん体験に基づき「がん体験は結果として治癒したかどうかの単純な二分法で表現できるものではなく、最終的な帰結よりも本人が診断後を生きるプロセスと捉えるほうが適切だ」と述べました。また、医療の目標となる疾病の治癒・延命と、治療に関連して生じる諸問題に関し、「生存率の向上を目指すばかりで治療が引き起こす諸問題を顧みないのは、先進技術を使って溺れる人を水から引き上げた後、せき込んで水…

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