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宮城・福島で震度6強 広域被害への備え点検を

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 福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が起き、深夜に各地で強い揺れを観測した。

 約1000キロ離れた九州でも揺れを感じた。東北、関東などで200人以上がけがをし、亡くなった人もいた。

 11年前の東日本大震災を思い起こした人も多いだろう。

 東京電力福島第2原発などでは、使用済み核燃料プールの冷却用ポンプが一時停止した。安全上の問題がなかったか、十分な点検が求められる。

 宮城県内で東北新幹線の車両が脱線した。約4時間にわたって、乗客らが車内に閉じ込められた。

 今回の震源付近では、昨年2月にも最大震度6強の地震が発生している。気象庁によると、今後1週間ほどは同じ程度の揺れが起きる恐れがある。警戒を怠らないようにしたい。

 揺れが強かった地域で、建物が壊れたり、断水したりしている。各自治体は被害状況を詳しく調べ、飲料水など必要な物資を速やかに届けてほしい。

 被災地は週末、天候が崩れる恐れがある。揺れで地盤が緩み、土砂崩れが起きやすくなっている可能性もある。危険な場所に近づかないよう、注意が必要だ。

 震源から遠い地域でも、ライフラインに大きな混乱が生じた。

 関東を中心に一時、220万戸超が停電となった。ほどなく大部分は復旧したが、市民生活への影響は小さくなかった。

 過去の大地震では、電気が復旧した際に損傷した配線などから引火する「通電火災」が数多く発生した。停電中はブレーカーを落とすなどの対応が必要だが、呼びかけが十分だったかが問われる。

 東京都心で繁華街や住宅街の信号機が機能しなくなり、警察官が交通整理に追われた。

 揺れが原因でエレベーターが停止し、利用者が閉じ込められるケースも首都圏を中心に相次いだ。

 地震大国である日本はいつ、どこで大きな揺れがあっても不思議ではない。阪神大震災以降、地震活動期に入ったとも指摘される。

 大地震では影響が広域に及ぶことを踏まえた対策が欠かせない。被害を最小限に抑えるための備えができているか、改めて官民で点検したい。

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