外務省も採用「銀ぶら=銀座でブラジルコーヒー」説は誤り
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「銀ぶら」の語源は「銀座でブラジルコーヒーを飲むこと」だとする説が、インターネットなどで拡散し、外務省のホームページでも紹介されている。しかし、正しい意味は「銀座をぶらぶら散歩すること」であり、ブラジルコーヒー説は誤りだ。(ファクトチェックの判定基準)【藤沢美由紀/デジタル報道センター】
外務省は「ブラジルコーヒー説」採用
「銀ぶら」の語源について見聞きしたことはあるだろうか。ネットやSNSで検索すると、「諸説あります」といった言葉とともに、ブラジルコーヒー説を取り上げたニュースや投稿が複数出てくる。
毎日新聞も2014年9月29日の夕刊コラムで、筆者の「お袋の説」として、ブラジルコーヒー説を取り上げた。複数のネットメディアは、18年11月の民放のクイズ番組で、ぶらぶら説とともに、ブラジルコーヒー説も「語源」だとされたことを報じている。
外務省のホームページは、ブラジルコーヒー説を採用している。14年6月に開幕したサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会を前に、ブラジルの魅力などを紹介した14年5月26日付の記事だ。「銀ブラ」の語源について「『銀座をぶらぶら散歩する』ではなく、『銀座でブラジルコーヒーを楽しむ』である」と書かれている。
ブラジルコーヒー説を自社のホームページに掲載していたのが、1911(明治44)年に銀座で開業したという喫茶店「カフェーパウリスタ」の流れをくむ「日東珈琲」の関係会社「株式会社カフェーパウリスタ」だ。
店のホームページによると(現在は削除)、店の歴史をつづる中で「『銀ブラ』という言葉は、慶応義塾大学の学生が…
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