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「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」。広島市中区の被爆者、小倉桂子さん(84)は15日、原爆ドームの向かいにある国連訓練調査研究所(UNITAR=ユニタール)広島事務所の一室でビデオカメラに向かい、こう英語で読み上げた。広島・平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑に刻まれた碑文の英訳だ。目の前に聴衆はいないが、口調はいつになく熱を帯びていた。ロシアがウクライナに侵攻し、核兵器が再び使用されかねない状況下だからだ。
ロシアのウクライナ侵攻 募る危機感
聴いていたのは、オンラインでつながったアジア11カ国の外交官や防衛省職員ら約20人。ユニタールが毎年実施し、これまで小倉さんも講師として何度も証言してきた「核軍縮・不拡散研修」の参加者で、平和の担い手たるべき人たちだ。
米軍が広島に原爆を投下した1945年8月6日。当時8歳だった小倉さんは爆心地から2・4キロ離れた自宅の近くで被爆した。皮膚がただれ、内臓が飛び出しながら苦しみもだえる人々の姿。喉の渇きを訴える重傷者の口に水を含ませると、その場で息絶えてしまった。その体験がトラウマとなり、語り部になることを長年阻んできたが、その後、自身の被爆体験や原爆投下後も苦しめられた差別について、英語で証言するようになれた。
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