後手に回った政府と東電 大規模停電の危機、突然要請に企業不満
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

日本の電力インフラの脆弱(ぜいじゃく)さが露呈した。東京、東北電力管内で電力の供給が需要に追い付かない事態となり、政府は「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出した。2012年の制度創設以来、初めての発令だが、突然の節電要請に企業などからは戸惑いの声も出た。なぜ、このような事態が起きたのか。
萩生田氏、会見で危機を訴えるしか
「節電効果が目標を下回っている。このままでは残念ながら、広範囲での停電を行わざるを得ない事態になる」。22日午後2時45分ごろ、萩生田光一経済産業相は経産省内で緊急記者会見を開き、節電への協力を呼びかけた。
発端は16日夜の福島県沖で起きた地震だった。震源地に最も近い東北電と発電会社JERA(ジェラ)が共同出資する「相馬共同火力発電」の新地発電所(福島県新地町)や、東北電の原町火力(同県南相馬市)など東電管内に送電する発電所が停止。22日時点で、原発5基弱に相当する火力8基454万キロワットの供給力が失われた。
ここに、季節外れの冷え込みが重なった。22日の東京都の最高気温は平年を大きく下回ってみぞれや冷たい雨が降り、暖房などの電力需要が「この時期としては異例の高水準となった」(萩生田氏)。
悪天候で22日の東電管内の太陽光発電量は供給力全体の数%にとどまり、東電、東北電いずれも電力不足に陥った。
国や大手電力会社は今冬は電力需給が過去…
この記事は有料記事です。
残り2022文字(全文2608文字)