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3月 進むデジタル化 ファシズム的な世界に=田中和生

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堤未果氏
堤未果氏

 内閣府が掲げるムーンショット計画は、AIロボットや量子コンピュータなどを利用しながら、人間が二〇五〇年までに「身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」し、地球環境や疾病や食といった問題を解決することを目指している。聞こえはいいが、現実ではあらゆるものがデジタル技術で管理され、人間は仮想現実でしか自由がない世界である。いつごろ出てきた話か知らないが、世界経済フォーラムが二〇一〇年代から提示してきた二〇三〇年の世界に酷似している。

 そして昨年刊行された堤未果『デジタル・ファシズム』(NHK出版新書)が警鐘を鳴らすように、二〇二〇年の新型コロナウイルス出現を機にして、この世界像は急速にリアリティを増しつつある。日本では公共性をもつ政府、マネー、教育の分野でデジタル化が進み、いつの間にかそれらが新自由主義的な市場に近づいているからだ。そう考えると、新型コロナの危険性とmRNAワクチンの有効性がくり返し語られる全体主義的なメディ…

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