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文化的にも言語的にも近く「兄弟民族」と呼ばれてきたロシア人とウクライナ人。「兄」であるはずのロシアから侵攻を受けたウクライナでは今、国民意識に大きな変化が起こっているという。キエフ在住で親露派武装勢力とのウクライナ東部紛争の停戦協議にも関わってきたジャーナリストのセルゲイ・ガルマシュ氏(51)が毎日新聞に戦時下の世論や首都の日常生活について寄稿した。
◇ ◇
戦争(ロシアによるウクライナ侵攻)はウクライナ人の日常生活を根本から変えた。それだけではない。ウクライナ人の世界観も戦争によって大きく変わった。
2014年に(親露派武装勢力が一方的に独立を宣言した)東部ドネツクから西部リビウ州に移住したエレーナさん(50)は今、「どうして以前、私たち(ウクライナ人とロシア人)は近しい民族だと思えたのだろうか」と不思議がる。「だって、私たちの間に共通点はないし、完全に異なっているのだから!」
同じような意識の変化がウクライナの全土で、ロシア語を話す人々の間でさえも起こっている。ウクライナ人とロシア人は「兄弟」という約400年にわたって続いてきたロシアの神話、あるいはプーチン露大統領が言うような「同一民族」であるという神話は今回の戦争によって完全に崩れてしまった。
意図的な都市の破壊、民間人の大量殺害、さらにロシア人の多くがプーチン氏を支持しているという事実――。こうした出来事を通し、ウクライナ人にとって今回の戦争は軍や国家同士の戦いから民族同士の戦争に変わった。今やウクライナ人とロシア人は敵となった…
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