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夫からの暴力(DV)、性被害、貧困など、困難に直面した女性を支援する新法の制定を、超党派の国会議員有志が目指している。
現在の公的な支援制度は、1956年制定の売春防止法に基づいている。実態に合わなくなっており、早急に改める必要がある。
もともとは「売春を行うおそれのある女子の保護更生」を目的につくられた仕組みだ。各都道府県に、婦人相談所や一時保護施設の設置が義務づけられている。
その後、対象は拡大され、DVやストーカーの被害者、生活困窮者が加えられた。
しかし、多様な問題に対応するには無理があり、必要な支援が行き届いていないのが現状だ。
まず問題なのは、保護に重点が置かれ、自立支援は想定されていないことだ。改善を求める声が以前から上がっていた。
売春への偏見や蔑視が原因で、十分な体制が整えられていないとも指摘され、自治体の取り組みにも差が生じている。
新法の目的は、売防法によらない制度をつくり、支援を充実させることにある。従来の対応を全面的に転換しなければならない。
議員有志がまとめた法案の概要では、人権の尊重や男女平等が明記され、個々の状況に応じた支援を切れ目なく実施することが、理念として掲げられている。
国が支援策の基本方針を定め、それに基づいて都道府県が計画をつくるよう義務づけている。
民間団体との協力を前面に打ち出したのも特徴だ。連携のための会議設置が盛り込まれている。
行政の取り組みだけでは限界がある。被害者の相談に乗る「駆け込み寺」となり、シェルターや住まいを提供するといった支援は、民間団体が主に担ってきた。
こうした活動を公費で支えていくことが欠かせない。蓄積されたノウハウを共有し、官民で役割を分担していくことも必要になる。
支援対象の女性は、若者、ひとり親、高齢者、障害者、外国人など幅広い。きめ細かく対応できる体制が求められる。専門的な知識を持つ人材の育成も大切だ。
新型コロナウイルス禍で、女性の苦難が浮き彫りになった。新法ができれば、社会で支える仕組みづくりへの第一歩となる。