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ネット交流サービス(SNS)のフェイスブック(FB)などを運営する米メタが、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領らに対する暴力的な表現を一時容認したことが物議を醸した。批判を受けてすでに撤回したが、SNSが国際世論や戦況に及ぼす影響力の大きさを改めて浮き彫りにした騒動といえる。今や国家並みの力を持つとさえ言われる巨大ITに、私たちはどう向き合うべきだろうか。
ヘイト容認に批判
まずは騒動を振り返ろう。メタが暴力や差別をあおるヘイトスピーチを制限する規約を一時変更したことが判明したのは3月上旬。ロイター通信によると、メタはFBと写真共有アプリ「インスタグラム」での「ロシアの侵略者に死を」といった暴力的な投稿を、ウクライナ国内などに限って一時容認した。
メタのニック・クレッグ社長は「軍事的侵略に対する自己防衛の表現として、言論の自由を保護する」ことが目的だと説明。一時的、例外的な措置であり、一般のロシア人に対するヘイトスピーチは引き続き制限することも強調した。
しかし、インターネット上では「暴力をあおる」と反発が起こり、国連のグテレス事務総長の報道官も「我々はあらゆるヘイトスピーチや暴力の呼びかけに明確に反対するし、そのような表現は受け入れられない」と痛烈に批判した。こうした動きを受け、メタは容認方針を撤回した。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教…
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