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エコや社会貢献ではなく「営業許可証」 脱炭素経営で遅れる日本

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米カリフォルニア州の大型風力発電=2020年5月29日、ロイター
米カリフォルニア州の大型風力発電=2020年5月29日、ロイター

 温室効果ガスの排出削減に取り組む――。それはかつて企業にとって「エコ」や「社会貢献」の話だった。今も日本では普通の認識かもしれない。しかし、国際社会ではもはや、それなしではビジネスに参入すらできない「営業許可証」になった、と専門家は説く。

 地球環境戦略研究機関(IGES)ビジネスタスクフォースディレクターで、脱炭素経営を進める企業でつくる「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」事務局責任者も務める松尾雄介さんに聞いた。【聞き手・大場あい/科学環境部】

日本、優先順位まだ低い

 ――近著「脱炭素経営入門」(日本経済新聞出版)の中で、企業が気候変動に取り組むことの意味合いが「180度転換した」と指摘しています。どういうことですか?

 気候変動は人の生命や財産を脅かす重大な危機です。気温上昇に伴って、暑さで死亡する高齢者が増えたり、気候の変化で感染症が拡散しやすくなったりすると指摘されています。また、移民・難民を増加させ、紛争や安全保障にも影響を及ぼす恐れがあることが国際的な共通認識になりつつあります。

 そのため、多くの国で…

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【気候変動】

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