京都の桜の満開、21年は過去1200年で最速 史料分析で判明

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
見ごろを迎えた淀地域の河津桜=京都市伏見区で2022年3月15日、山崎一輝撮影
見ごろを迎えた淀地域の河津桜=京都市伏見区で2022年3月15日、山崎一輝撮影

 大阪公立大の青野靖之准教授(農業気象学)は、京都に残る過去約1200年分の桜に関する史料から満開時期などの記録を分析している。長期間にわたって政治や文化の中心だった京都ならではの研究。昨年の満開時期は記録上、過去約1200年で最も早かったことが分かった。

 記録の始まりは歴史書「日本後紀」。嵯峨天皇が812年に京都・神泉苑で花見の宴を開いたとの記述が残る。10~11世紀に藤原道長が日記「御堂関白記」に、12~13世紀に藤原定家が日記「明月記」にそれぞれ花見などの記録を残している。

 分析の対象は京都駅や観光地・嵐山を含む京都市の南北約20キロ、東西約10キロの範囲で、古くから日本に自生するヤマザクラとした。

 青野准教授は長期の記録は「安定して日本の中心だった京都だからできること」と話す。東京でも同様の研究を試みたが、17世紀半ばより前にはさかのぼれなかった。ただ京都でも江戸幕府が開かれて政治の中心が移った後は記録が減り、神社仏閣の日記に頼った。

 昨年、嵐山のヤマザクラは3月26日に満開とな…

この記事は有料記事です。

残り170文字(全文620文字)

関連記事

あわせて読みたい

ニュース特集