- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

傷は癒えただろうか。心の具合はどうか。ずっと気になっていた。3月初め、米西部シアトルの公立高校日本語教師、那須紀子さん(45)に約1年ぶりにインタビューした。那須さんは昨年2月、路上で黒人の男に石とみられる物が入った靴下で顔面を強打され、重傷を負った。アジア系住民を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)とみられている。
「光が強い日は頭痛や吐き気がひどく、夏は地下室に籠もっていました」「車も運転できません」。事件から1年以上たっても、那須さんは脳障害の影響に苦しんでいた。家族が殺されるといった「暴力の夢」もよく見る。昨年10月から仕事に復帰したが、疲れやすいため4割程度の勤務時間がやっと。回復に向け頑張ろうとしても体が言うことを聞かず、落ち込む日々だという。理不尽なヘイトのやいばは、深い傷痕を残す。
この記事は有料記事です。
残り212文字(全文564文字)