パナソニックは「変わってねえな」 復帰した43歳が挑むメタバース

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
開発したメタバース機器のメガーヌエックス(右)とミュートークを手にする岩佐琢磨さん=東京都中央区で2022年2月21日午後4時11分、井口彩撮影
開発したメタバース機器のメガーヌエックス(右)とミュートークを手にする岩佐琢磨さん=東京都中央区で2022年2月21日午後4時11分、井口彩撮影

 世界的に注目されているオンラインの仮想現実空間「メタバース」。その事業にパナソニックホールディングス(HD)が本格参入する。担い手となるのは子会社「シフトール」(東京都中央区)で最高経営責任者(CEO)を務める岩佐琢磨さん(43)。業績が絶好調だった頃に退社し、ベンチャー企業の経営を経て古巣に戻った異色の経歴を持つ。「変わってねえな」とパナソニックの社風を辛口に言い放つ岩佐さんは何を実現し、どんな変革を起こそうとしているのか。【井口彩】

 <記者は取材前、シフトールが製作したVR(仮想現実)グラス「メガーヌエックス」(年内に発売予定)を試着した。1月に米ラスベガスで開かれた世界最大級の家電見本市「CES」で大々的に発表されたものだ。まるで視力検査に使う眼鏡のような形。「着けているのを見られたら、ちょっと恥ずかしい」と思ってしまった>

 ◆メタバースになじみのない方から「奇妙な絵面(えづら)」と(批判的な)コメントをたくさん頂きました。でもメタバースを使い慣れた人たちは「これが欲しかった商品」と非常に好意的です。人は新しいものを受け入れるのに時間がかかります。2007年に米アップルがiPhone(アイフォーン)を発売した時も、「あんなに大きくて平たい機器で、電話なんてしない」と言われましたよね。最初は奇妙に見えても、一度受け入れられれば普及するものです。

 <メガーヌエックスは約250グラムと軽量で、高画質の映像を360度で楽しめる。腕や足の動きを読み取るセンサーや背負う携帯型エアコン「ペブルフィール」、音漏れ防止機能付きのマイク「ミュートーク」も装着すると、ロボットのような格好になる>

 ◆メガーヌエックスは体の動きに合わせてメタバース上を…

この記事は有料記事です。

残り2633文字(全文3362文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集