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後ろ手に縛られ撃たれて折り重なる私服の遺体、焼け焦げて並んだ多数の戦車や装甲車、外壁が黒ずみ大穴の開いたマンション――。ロシア軍が多数の民間人を殺害したと批判されるウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャを、日本人写真家、八尋伸さん(43)が取材した。5日、毎日新聞のオンライン取材に応じた八尋さんは言った。「街中どこに行っても黒焦げ。銃砲弾の着弾痕も多く、戦闘の激しさが思い浮かぶようだった。遺体もあちこちに横たわり、ロシアの蛮行がはっきりと残されていた。なぜこんなむちゃをやるのか」【和田浩明/デジタル報道センター】
ブチャはキーウ北西、車で30分ほどの距離にあるベッドタウンだ。ウクライナ全面侵攻が始まった2月24日の後、間もなくロシア軍に占拠され、3月末ごろまで制圧下に置かれた。ロシア軍の撤退後、ウクライナ検察はブチャを含むキーウ近郊で民間人計410人が遺体で発見されたと発表。現地視察したゼレンスキー大統領は「これらは戦争犯罪だ。ジェノサイド(大量虐殺)として世界に認定されるだろう」とロシアを激しく非難している。ロシア側は「ウクライナのでっち上げだ」と反論するが、国際的反発は強まっている。
シリアやイラクなど紛争地取材の経験が豊富な八尋さんは、3月末からウクライナで取材を始めた。4月4日昼過ぎに、ドキュメンタリーディレクターの伊藤めぐみさんや、アルゼンチン、フランスのジャーナリストらとともにブチャに入った。車のドアを開けて歩き始めると、鉄とゴムが焼けたような焦げ臭いにおいが鼻をつく。路上には遺体が残されていたが、3日に雪が降り4日も冷たい風が吹くなど気温が低いせいか、腐臭はさほど感じずに生臭い程度だったという。
中心部の道路には何台ものロシア軍の戦車や装甲車が焼け焦げて止まっていた。接近が規制された破壊車両の周りでは兵士らが動く様子が見えた。近くには破壊された黒い車が止まっていたが、案内役の地元の人からは「トラップ(わな)が仕掛けられているから近寄らないで」と淡々とした調子で注意されたという。
案内された先は、子供用施設の地下室だった。階段を下りると、…
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