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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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「プーチンはソ連の申し子」 元ウクライナ大使が迫る実像

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ロシアのプーチン大統領=ロシアで2022年3月31日、AP
ロシアのプーチン大統領=ロシアで2022年3月31日、AP

 「私が親しんできたロシアの人々を思い出しつつ、どんなに考えても、やはりこの戦争がロシアの民意を反映しているとは思えないのです」。そう話すのは、元ウクライナ大使の天江喜七郎さん(78)だ。ロシア語を学んでモスクワ大に留学し、旧ソ連日本大使館公使としてソ連崩壊を現地で目の当たりにした。外交官時代に、ロシアに関わった期間は18年。「プーチンの戦争」と位置付け、戦争が起きてしまった「なぜ?」を思考し続ける天江さんが語る「ウラジーミル・プーチン像」とは――。【宇多川はるか/デジタル報道センター】

「時計の針を戻す」感覚の違い

 「2月24日のロシアのウクライナ侵攻から、私はずっと、この戦争について考え続けています。ウクライナのことを思うと、他に何も手が着かないのです」。旧ソ連日本大使館公使を1990年末から3年間務め、2002~05年にはウクライナ大使の職にあった天江さんはこの1カ月余をそう振り返る。「なぜ、こんなことが起きたのか。プーチン氏の身になってこの侵攻を考えようとすると……」。そう切り出しつつ、早々に「結論として言えること」を語った。「やはりプーチン氏は『ソ連の申し子』なのです」

 91年12月に崩壊したソビエト連邦。ロシアのプーチン大統領が「ソ連崩壊は20世紀最大の地政学上の悲劇」と公言してはばからないことは知られる。「地政学を非常によく勉強している彼が、ここで使うロシア語は『катастрофа(カタストロファ)』。つまり、悲劇を表す『трагедия(トラゲディア)』よりもっと大きな悲劇的な結末、破局です。この言葉一つとっても、ソ連に対する愛着はすさまじいものがあります」

 では、31年も前に崩壊した「ソ連の復活」を目指そうというのか。天江さんは「31年も」とは考えない。脳裏に浮かぶのは、91年のクリスマスだ。…

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【ウクライナ侵攻】

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