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「ラーメン大好き小池さん」モデルが語る、藤子Aさんとトキワ荘

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「『小池さん』は応援してるけど、藤子不二雄Ⓐさんらがみけんのしわを描くのが気になって。自分ではしわを描かないようにしてます」=東京都杉並区の杉並アニメーションミュージアムで2017年10月19日、和田大典撮影
「『小池さん』は応援してるけど、藤子不二雄Ⓐさんらがみけんのしわを描くのが気になって。自分ではしわを描かないようにしてます」=東京都杉並区の杉並アニメーションミュージアムで2017年10月19日、和田大典撮影

 「一緒に飯でも行こう」。数日前、電話で誘われたばかりだった。88歳で亡くなった漫画家の藤子不二雄A(本名・安孫子素雄)さんと、70年近い付き合いのあるアニメーション作家の鈴木伸一さん(88)は、藤子Aさんらの人気漫画「オバケのQ太郎」に登場するラーメン大好き「小池さん」のモデルでもある。著名な漫画家が集った伝説の木造アパート「トキワ荘」(東京都豊島区)でのエピソードなどを振り返りながら、「あなたは天才でした」と突然の死を悼んだ。【大沢瑞季/デジタル報道センター】

週2回ゴルフに出掛けていたはずが…

 4、5日前、藤子Aさんから電話があった。「一緒に飯でも行こう」と誘われた。ゴルフに週2回は出掛けていると近況を話す藤子Aさんに、「元気だねえ」と言葉を掛けたばかりだった。7日、知人からの電話で訃報を知り「病気を患っているという話も聞いていなかったので、本当にショックです。信じられない」と声を落とした。

 古里の長崎県から上京した鈴木さんが、トキワ荘に入居したのは1955年。トキワ荘は、雑誌「漫画少年」を発行していた学童社の手配で手塚治虫が入居し、赤塚不二夫や藤子・F・不二雄、藤子Aさんらも引っ越し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)した伝説のアパートだ。それぞれ4畳半という狭い部屋。藤子Aさんの部屋は、廊下を挟んで向かい側にあった。鈴木さんによると、当時の藤子Aさんはまだあまり売れておらず、締め切りを守れなかったことから、連載が打ち切られてしまった後で、落ち込んでいた時期だったという。お互いにお金はなかったが、徹夜明けに朝ご飯を一緒に作ったり、飲みに行ったり。連載が決まれば、喜び合ったという。

グジャグジャッと描いた似顔絵が大ウケ

 トキワ荘では、仲間の誕生日に似顔絵を描いて贈り合っていたのだが、鈴木さんの似顔絵がなかなかうまく描けない。その時、誰かが…

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