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松尾貴史のちょっと違和感

放送タレント・松尾貴史さんのコラム。テレビから政治まで、「違和感」のある話題を取り上げます。

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松尾貴史のちょっと違和感

火事場泥棒的発言 日本の国益にかなわない

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松尾貴史さん作
松尾貴史さん作

 「体力が万全でないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません」と述べて、2020年9月に首相を再度辞任した安倍晋三氏が、アメリカの核兵器を日本にも配備して共有すべきだと言い出したのを見ると、本当に辞任してくれていて良かったという感慨しかない。

 こんな論外なことを言い出したのは、ロシアのウクライナ侵攻という災難に便乗したものであり、ある意味では火事場泥棒的な卑劣な言説である。戦争に突き進んで広島、長崎が核兵器によって壊滅的な被害をもたらされ、今なお心を痛め苦しむ人がいる世界で唯一の国で、こんなに愚劣なことを言い出す人物が首相を2度もやったということの恐ろしさに驚愕(きょうがく)する。

 2月にテレビ出演した時は「相手の軍事的中枢を狙う反撃力が必要」という内容のことをしゃべっていたが、先日の山口県での講演に至っては「基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」と言い出した。これが通るならば、仮に敵対する国が現れた場合、その国も「日本の基地以外の攻撃をしていい」ことになってしまう。日本の中枢とは、国会なのか、首相官邸なのか。もちろん、皇居も含まれてしまうかもし…

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