「地震さえなければ」孤立の果て、足の不自由な妻を手に掛けた78歳
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2016年4月に発生した熊本地震から1年後、熊本市内のアパートで男性(78)が同居の妻(当時74歳)の首を絞めて殺害する事件が起きた。男性は足の悪い妻を一人で介護していたが、地震で住まいが壊れたため転居を余儀なくされ、孤立して追い詰められた末に思わず妻を手に掛けていた。
事件の現場に今も住む男性
熊本地震の発生から14日で6年になるのを前に今年3月、事件の現場となったアパートの部屋を訪ねると、男性が一人で今も暮らしていた。「短い間だったけれど妻と一緒に暮らした場所だから」。黒色のニット帽をかぶり白いひげを伸ばした男性は、引っ越さない理由を言葉少なに語った。
事件が起きたのは17年4月8日の昼前。熊本県警などによると、妻の首をタオルで絞め、自ら119番して逮捕された男性は「妻の介護に疲れ殺そうとした」と供述した。
50年近く連れ添った妻は足が悪かった。医療費が重くのしかかり、夫婦は地震の3年ほど前から生活保護を受給しながら約600メートル離れた別のアパートで2人で暮らしていた。地震前までは同じアパートの住民が社交的な妻の話し相手になったり、食料を届けたりしてくれていた。「私たちがいるから大丈夫よ」。妻を一人で介護していた男性も週に数時間ほどは外で自由な時間を過ごすことができた。
地震で生活一変 妻の体調も悪化
しかし、地震を機に生活は一変した。…
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