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映画「教育と愛国」が示すもの 「政治の道具」迫る危機 ディレクター・斉加尚代さん

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 21世紀の日本で、教育と学問の環境が政治によっていかに改変されてきたのか。その意味を改めて問い直す映画「教育と愛国」が来月、公開される。監督の毎日放送(MBS、大阪市)ディレクター、斉加尚代さんへのインタビューを通して、日本の教育やメディアの現状とロシアのウクライナ侵攻の背景を重ねて考えた。

 「おはようございます」のあいさつとおじぎ、どっちを先にするのが「正しい」? 映画は、子どもたちにこんな質問をする「滑稽(こっけい)」だが「笑えない」道徳の授業風景から始まり、教科書検定制度へと切り込んでいく。道徳教科書の「パン屋さん」の記述が、検定意見を受けて和菓子を扱う店に修正された2017年のエピソードを入り口にして、教育基本法に「愛国心教育」を盛り込んだ安倍晋三元首相ら、保守系政治家の発言を改めて検証。さらに現場の教員、教科書出版社の編集者、歴史学者らへのインタビューを通じて、制度運用の実態と政治の関わりが浮かび上がる。カメラはさらに、今の日本で教育と学問が直面する問題を描いていく――。

 作品は、17年度のギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞したMBSのドキュメンタリーに、その後の取材成果を加えて完成させたものだ。番組を制作し、映画版でも監督を務めた斉加さんがこう話す。「教育の自由、独立が脅かされ、教科書が書き換えられていく。かつて日本でも、教師が目の前の子どものためではなく、国家の代弁者となった時代があった。危機的状況だと感じています」

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