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阪神大震災

1995年1月17日に発生した阪神大震災。戦後初の大都市直下型地震が残した教訓・課題は今――。

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兵庫県内最後の神社復興 阪神大震災から27年 西宮の大市八幡神社

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再建された大市八幡神社の幣殿・拝殿。境内には、武将・池田輝政が植樹したとされる樹齢400年超の大クスも=西宮市若山町で2022年4月11日午後3時12分、稲田佳代撮影
再建された大市八幡神社の幣殿・拝殿。境内には、武将・池田輝政が植樹したとされる樹齢400年超の大クスも=西宮市若山町で2022年4月11日午後3時12分、稲田佳代撮影

 阪神大震災の発生から、27年ぶりに元の神社の姿を取り戻した――。震災で大きな被害を受けた大市(おいち)八幡神社(兵庫県西宮市若山町)が3月、幣殿(へいでん)と拝殿を兼ねる建物の再建工事を終えた。県神社庁によると、震災から復興した主要な神社施設では県内最後とみられる。

 大市八幡神社は800年代初期の創建とされ、平安末期に源平の戦いで社殿が被災したと伝わる。震災では、県と市の指定文化財である本殿は奇跡的に倒壊を免れたが、建物と基礎がずれて傾いた。幣殿・拝殿をはじめ神輿(みこし)や太鼓の蔵、鳥居などは全壊、社務所や灯籠(とうろう)などは半壊か一部損壊という壊滅的な被害を受けた。

 先代の梅林展久宮司はすぐに仮の拝殿を設け、本殿を修復。鳥居や灯籠などの再建も一つずつ進めたが、多額の費用を要する幣殿・拝殿は長く仮設のままだった。2017年から「小さな力を大きな力に」を合言葉に、1口1000円の寄付を参拝者や地域に呼びかけ、計約1800万円が寄せられた。篤志家から多額の寄付もあり、21年7月に幣殿・拝殿の再建に着工。しかし、同年10月、梅林宮司は完成を見ないまま73歳で亡くなっ…

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【阪神大震災】

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