ジャニーズにアイドル選手…バレー国際大会、日本からなぜ消えた

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東京オリンピックのバレーボール男子1次リーグ・イタリア戦でスパイクを決めて喜ぶ日本の西田有志(左)と石川祐希。日本で主要国際大会はしばらく開かれず、こんな姿は見られない=有明アリーナで2021年7月28日、佐々木順一撮影
東京オリンピックのバレーボール男子1次リーグ・イタリア戦でスパイクを決めて喜ぶ日本の西田有志(左)と石川祐希。日本で主要国際大会はしばらく開かれず、こんな姿は見られない=有明アリーナで2021年7月28日、佐々木順一撮影

 古くは「東洋の魔女」、そしてジャニーズ事務所所属のタレントを公式サポーターに起用するなどショーアップされた大会運営に、アイドル並みの人気を誇る男女の選手たち――。多くの人々がバレーボール日本代表に抱くイメージだろう。ところが、2024年まで国内で主要国際大会は開かれず、関係者からは「もはやマイナー競技」との声も漏れる。バレー界で一体、何が起こっているのか。【小林悠太】

 「若い人たちの力を発揮させ、ベテランの経験も生かし、力を合わせていけば、必ずよい協会になる。毎年大きな(国際)大会が日本で開催されるようにFIVB(国際バレーボール連盟)と話し合いながら、よい方向に持っていく」

 日本協会の新会長に就任した川合俊一氏(59)は3月22日に開かれた記者会見で意欲を語った。4月に行われた毎日新聞のインタビューでも「人気がなければバレー界は滅びてしまう」と危機感をにじませた。だが、川合氏が会長に選ばれたのは「消去法」の産物だった。日本協会関係者が解説する。

 「最有力候補は競技団体の役員経験が豊富で、世界にパイプを持つバレーボール女子の五輪金メダリスト。だが、その金メダリストに断られたため、テレビでのタレント経験があって発信力のある川合氏に白羽の矢が立った」

 日本バレーボール協会会長といえば、金メダリストにとっても名誉ある職のはずだ。だが、会長人事を巡っては近年、「お家騒動」とも言える内紛の連続だった。13年以降、2年おきの役員改選のたび、会長や専務理事など要職の落選や解任が4回連続で起きた。21年6月の改選こそ東京オリンピック直前という政治的配慮から、10年ぶりに無風で執行部が再任されたが、元協会幹部は「年々、協会のこれまでの流れを知っている人が…

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