公立中教員・真由子 部活顧問希望調査に「一切致しません」
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部活動に疑問を抱いた一人の教員が2013年に開設したブログが大きな話題となった。「真由子」と名乗る公立中学校教員は、すべての教員が部活動の顧問を務めなければならないことに不条理を感じ、悩める思いをインターネット上で発信した。メディアだけでなく国会でも取り上げられ、教員や生徒に過重な負担を強いる「ブラック部活」の議論が活発化するきっかけとなった。
あれから9年。当時の思いから、段階的に地域移行を図ろうとする部活動を巡る課題について聞いた。【聞き手・村上正、千脇康平】
――ブログを始めたきっかけは。
◆当時はまだ若く、部活は仕事としてすべきだと思っていたが、違和感もあった。誰にも言いようがなくブログを立ち上げた。最初は誰かに見てもらいたいと思うよりも、自分の愚痴を吐き出す場という感覚だった。
――現役教員として始めることに対して勇気が必要でしたか?
◆今はツイッターなどSNS(ネット交流サービス)で、現場の教員から声が上がっているが、当時は部活について語るのはタブー視されていた。部活顧問はやって当たり前で、担当しない教員はサボっていると見られていた。労働環境について教員が「文句を言うな」と言われかねないと思い、匿名で始めた。
――不条理を感じた出来事は。
◆運動部の場合は毎週の土日や、夏休みも含めて練習試合や公式戦が続き、引率する。授業準備や教材研究の時間は確保できなかった。土日は休みたかったがそうもいかず、金曜が嫌で仕方がなかった。だが、試合会場に着くと、すごい熱気に包まれ、自分にとって場違いな感じしかしなかった。学校の入り口などには優勝した盾やトロフィーが飾られている。これをもらうのが自分の仕事なのかな、と思うまでになった。
――ブログは高い注目を集め、メディアや国会でも取り上げられました。
◆ブログに対するコメントでは「教員がそんなことを言うんじゃない」「代わりはいくらでもいる」…
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