応援の指揮にお茶くみ、写真係まで 「陰の部員」保護者会の苦悩
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部活動は「学校教育」の一環とされ、日本社会に根付いてきた。ただ、教員の長時間労働の一因ともなり、教育現場からは改善を求める声が上がる。少子化で学校の小規模化も進んだために、従来の活動が成り立たなくもなってきた。危機にある部活の現状に迫る。
日中は会社員としてフルタイムで働く。夕方から深夜までは週3回、コンビニエンスストアでアルバイトに励む。周囲は「体を壊してしまう」と心配する。しかし、すべては娘のためだ。
長女が九州地方の高校のバレーボール部で主将を務める咲子さん(仮名)は昨年11月、保護者会の代表に就いた。主将の保護者が代表を務めるのが慣例で、前代表から打診を受けていた。
「『断ってもらっても大丈夫ですよ』とは言われましたが、娘が頑張っている姿を見てきたので、引き受けることにしました」
母子家庭で、長女の教育費を稼ぐため、これまでは週末をコンビニのアルバイトに充てていた。だが、保護者会代表は応援を取り仕切るリーダーとして、週末の対外試合に同行するのが慣例になっているため、身体的負担は承知の上で、コンビニの仕事は平日深夜に切り替えた。
部活動において、保護者は「陰の部員」とも呼ばれる。試合当日は子供たちの送迎からお茶くみ、応援の準備など役割は多岐にわたる。咲子さんは顧問教諭から試合日程などスケジュールについて連絡を受け、部員の保護者にネット交流サービス(SNS)で伝える。連絡事項は試合会場の駐車場位置に至るまで非常に細かく、咲子さんは「想像以上に大変で、…
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