「真実伝えたい」 ふる里を2度追われた女性が語る祖国への思い
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ふる里を追われるのは2度目となった。一度は2014年に始まったウクライナ軍と親露派武装勢力の紛争で、そして今回のロシア侵攻で。家族と暮らしていたアパートは度重なる砲撃を受け、親しくしていた隣人が犠牲になった。「私の心そのもの」というふる里を離れ、名古屋市に避難してきたウクライナ人女性(22)はロシアの侵攻後、氷点下10度近くの地下で過ごした日々、残してきた家族や祖国への思いを静かに語り始めた。
第二のふる里を襲ったロシア侵攻
女性はエリザベータ・コロトコバさん(22)。ロシア侵攻前までは首都キーウ(キエフ)に隣接する都市イルピンに住んでいた。地元の大学院で学びながら、化粧品などのデザインを手掛ける仕事にも就いていた。
3月26日、各国の言語を教え合うアプリで知り合った友人の日本人男性(24)を頼り、一人で名古屋市に避難した。日本に到着した時は「ほっとした」と同時に、仕事を失い、家族とも離ればなれになったため、言い知れぬ不安も覚えた。
ウクライナ東部ドネツク州で生まれたが、14年から始まった紛争の影響で、一家はイルピンへの移住を余儀なくされた。18歳の時だった。「全てを置いてイルピンに来た。家族や親族は仕事も家も再び見つけなければならなかった」と振り返る。
つらい時期を乗り越えたからこそ、家族との結びつきは強い。イルピンでは母(42)、祖父(66)、祖母(66)と暮らし、同じアパートの一つ下の階には親族も住んでいた。夕食時にはよく集まって食卓を囲むなど、いつも一緒だった。イルピンの美しい街並みも気に入っていた。近くの大きな公園は緑豊かで季節ごとに木々が色を変えて彩り、中心部はクリスマスシーズンになるとライトアップされ、多くの人でにぎわった。
2月24日。第二のふる里はロシアが侵攻を始めたこの日を境に一変した。…
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