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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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「愛なんて、津波に通じない」 被災した樹木撮る写真家の思い

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新シリーズ「津波の木」を発表している写真家、畠山直哉さん。写真はシリーズのきっかけになった岩手県陸前高田市のオニグルミの木=京都市中京区で2022年3月24日、清水有香撮影
新シリーズ「津波の木」を発表している写真家、畠山直哉さん。写真はシリーズのきっかけになった岩手県陸前高田市のオニグルミの木=京都市中京区で2022年3月24日、清水有香撮影

 「悲しんでも嘆いても、足りない感じがあるんです」と写真家の畠山直哉さん(64)は言う。2011年の東日本大震災以降、津波で甚大な被害を受けた故郷、岩手県陸前高田市の風景を撮ってきた。新シリーズ「津波の木」(18年~)では他県の被災地も巡り、津波で傷を負った木々にカメラを向ける。その姿に、たくましく生きる人間の物語を見たからではない。自らが抱える「足りなさ」についてより深く考えるため、畠山さんは被災した樹木を繰り返し撮る。

 はじまりは陸前高田で撮った一本の木だった。半分は葉を茂らせ、半分は枯れてしまったオニグルミの木。震災以降、たびたび通った場所に生えていたが、気に留めることはなかった。ところが17年ごろから「半分生きて、半分死んでいる」姿が写真にありありと映し出され、「あぜんとした」と振り返る。「なんて言ったらいいのか、いつまでも眺めていたい気がして、…

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